ポリスタのモデラーロケットモードで自作したモデルに色を塗ったりスタンプを押したりすると、細かく描けずにぼやけてしまうことに驚くでしょう。これは、ポリゴン1枚あたりに描ける画素の点の、数や形が決まっているからです。
模式図 | 画像 | 拡大画像 |
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模式図のように、ポリゴンに方眼が描かれていると考えます。この方眼の交点一個が最小の画素単位。いわゆる1ドット。方眼の交点数、すなわちドット数は、少なくとも縦27ドット、横27ドットです。画素は面積のある正方形ではなく、面積の無い点と考えます(碁盤に置かれた碁石のような感じ)。まず1ドットの赤い点を描きます。これをポリスタで表示したのが模式図の右の画像。画素がポリスタに処理されて、六角形で表示されます。
模式図 | 画像 |
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次に、縦、横、斜めの点の並び。これらは六角形の画素が重なり合った結果、奇麗な直線で表示されます。
模式図 | 画像 |
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さらに点を追加。青い点の並びは奇麗な直線になりません。
- | 模式図 | 画像 |
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縦縞模様 | ![]() |
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横縞模様 | ![]() |
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市松模様 | ![]() |
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結論だけ言うと、図2の三本の線と、それに平行な線だけが奇麗な線になります。例えば図4のようなもの。
画像 |
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1ポリゴンに描ける画素の数は、全てのポリゴンで同じです。相対的なポリゴンの大きさには関係ありません。図5の二枚のポリゴンの縞模様は、どちらも1画素の線で描かれています。線の数はどちらも同じです。
模式図 | 画像 |
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今までは直角二等辺三角形のポリゴンのみを見てきました。しかし当然、ポリゴンの形状は色々です。図6は直角二等辺三角形からポリゴンを変形させた様子。ポリゴンの形が変わるのに合わせて、碁盤の目も変形。ポリゴンがゴム膜のように伸び縮みして、膜の表面に描かれた模様が変形するような感じ。
このポリスタにおいてペイントの基準となるポリゴンの頂点Aを、このサイトでは「キレイ原点」と呼びます。もちろん任天堂非公式用語。
模式図 |
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まとめ。ポリゴン1枚には、ペイントの基準となる『キレイ原点』、A点が存在。ペイントでキレイに直線を描ける方向は、BCの中点をMとすると、AB,AC,AMの三方向。これ以外の方向に線を描こうとしてもガタガタになる。
ポリゴン1枚に描ける画素の数は、ポリゴンの相対的大きさとは無関係に、全て一定。その数は少なくとも縦27、横27ドット。これらのドットは座標とカラーコード情報を持ち、ポリスタによって濃淡を持った六角形に描画される。また、このドットの形はポリゴンの形が変形するに従って変わる。
キレイ原点は通常、ポリスタが勝手にその位置を決めます。しかしモデラー制作画面での操作により、キレイ原点を任意の位置に移動することが可能です。複数の方法が発見されていますが、実用上使いやすいと思われる方法は以下。ただし再現性があるとは限りません。
画像 | 作業手順 |
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赤い線を描いたポリゴンは、現在手前の頂点にキレイ原点がある。これを任意の場所に移動するには…。 |
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キレイ原点を移動したいポリゴンを、面で選択。面は1ポリゴンで構成されなくてはならない。 |
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[線を押さえて引き出す]で、尖らせる |
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引き出した頂点を[点]で選択し、[消す]。 |
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元のポリゴン形状に戻り、キレイ原点の移動完了。このまま他の作業を続けてもよい。 |
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キレイ原点が、[線を押さえて引き出す]とき押さえた線に向かい合った頂点に移動している。 |
経験的には、この作業によって他のポリゴンのキレイ原点が移動することはありませんでした。また、この方法を取った場合、「作業前にどこにキレイ原点があったのか」「他のポリゴンのキレイ原点はどこにあるか」等は無関係と思われます。
画像 |
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広く大きなポリゴンに、細かく絵を描こうとしても、画素数が足りずにぼやけてしまいます。任意の絵を思い通りに手描きするには、どうするか。
単純には、このようにポリゴンを増やして、敷き詰めることで、一応は可能になります。この碁盤のようなモデルは、別ページでポリゴンにスタンプを押す試験に使ったものです。当然、膨大なポリゴンを使う必要があります。この碁盤モデルは624ポリゴンです。
簡単な直線を描きたいのならば、ポリゴンを分割してポリゴンの形状で絵を描き、面単位で着色するほうが、作業効率もポリゴン効率も良い場面が多いでしょう。